武蔵野市気候市民会議のあゆみ
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はじめに

地球温暖化対策の動きが世界的に加速する中で、本市も一層の環境配慮により地球温暖化に歯止めをかけるため、令和3年2月に2050年度までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「2050年ゼロカーボンシティ」を表明しました。また、国では令和3年に温室効果ガス削減目標値を上方修正する地球温暖化対策計画の改定が行われ、これを受け、本市でも令和12(2030)年度の削減目標値を上方修正する形で、令和4年4月に武蔵野市地球温暖化対策実行計画を改定しました。
今後は今まで以上に、市民、事業者、市とで地球温暖化対策に一丸となって取り組むことが求められており、市民生活に大きな影響を与える脱炭素社会への転換をどのように進めるべきか幅広い視点から議論が必要とされています。
誰もが気候変動問題の当事者としての意識を持ち、対策のための具体的な行動を実践していくため、武蔵野市気候市民会議では、無作為抽出などによって選ばれた市民が、地球温暖化・気候変動対策について話し合う場として全5回開催し、脱炭素社会に向けて意見交換を行いました。
気候市民会議とは?
市民参加の一手法として、社会の縮図を構成するように、無作為抽出により選ばれた市民が気候変動対策について話し合う会議です。その開催は欧州各国で広がりを見せており、日本国内でも開催されています。
武蔵野市では、自治体主催初となる気候市民会議として開催しました。気候変動の現状に詳しいゲストティーチャーによるレクチャーを踏まえた上で、地球温暖化に対する目指すべきまちの姿や、一人ひとりの関心と行動を変えていくための取組みについて市民目線で話し合いました。
会議の日程
開催回 | 日時 | 内容 | |
---|---|---|---|
第1回 |
令和4年7月26日(火) 午後 6時 00分から 午後 8時 00分まで |
テーマ | ゲストティーチャー |
地球温暖化の現状とこれからの社会/ 2050年ゼロカーボンシティ実現後の武蔵野市の姿 |
江守正多氏 東京大学未来ビジョン研究センター 教授 / 国立環境研究所 上級主席研究員 |
||
第2回 | 令和4年8月23日(火) 午後 6時 30分から 午後 8時 30分まで | モノを買う・使う・手放す |
柿野成美氏 (公財)消費者教育支援センター |
第3回 |
令和4年9月27日(火) 午後 6時 30分から 午後 8時 30分まで |
動く・働く(学ぶ)・遊ぶ |
松橋啓介氏 国立環境研究所 社会システム領域 (地域計画研究室)室長 |
第4回 |
令和4年10月25日(火) 午後 6時 30分から 午後 8時 30分まで |
住まいのエネルギー |
前 真之氏 東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 准教授 |
第5回 |
令和4年11月22日(火) 午後 6時 30分から 午後 8時 30分まで |
テーマ | |
市の現状と取組の紹介/ 2050年の武蔵野市(脱炭素社会)に向けて、 広めていきたい取組 |
武蔵野市気候市民会議
の参加者
無作為抽出枠は武蔵野市住民基本台帳より、令和4年4月1日時点で市内在住、満16歳以上の1,500人を無作為で抽出し、気候市民会議の「開催のお知らせ」と「参加申込書」をお送りしました。公募枠は令和4年4月1日時点で満16歳以上の武蔵野市内在住・在勤・在学の方を対象に募集を行いました。
当初定員を40人としていましたが、応募者の年齢構成等が概ね市の全体の構成に合致し、市の縮図(ミニ・パブリックス)が形成されている事を考慮し、多様な意見を取り入れることを目的に応募者全員(※辞退者2人を除く)を選出することとしました。結果、無作為抽出枠41人、公募枠27人、合計68人の方にご参加いただきました。

武蔵野市気候市民会議
の流れ
ゲストティーチャー
による講義
(11グループ)
に分かれて討論
アドバイザーによる講評
実施体制
参加者 | 無作為抽出枠及び公募枠により応募した68人 |
事務局 | 武蔵野市環境部環境政策課 |
アドバイザー |
![]() 江守正多氏
(東京大学未来ビジョン研究センター教授/国立環境研究所 上級主席研究員) |
グループ討議支援 ・オンライン対応 |
アオイ環境株式会社 |
会議の様子
第1回地球温暖化の現状とこれからの社会



概要
- 時 間:令和4年7月26日(火)午後6時~午後8時
- 場 所:むさしのエコreゾート(武蔵野市緑町3-1-5)、オンライン
- 参加者:会場44人、オンライン13人
- テーマ:地球温暖化の現状とこれからの社会/2050年ゼロカーボンシティ実現後の武蔵野市の姿
- ゲストティーチャー:江守正多氏
(東京大学未来ビジョン研究センター教授/国立環境研究所 上級主席研究員)
グループ討議結果
- ⼈と⼈との
つながりのある
まち - リサイクルが
達成できるまち - 再⽣可能エネルギーが家庭やまちを⽀える
- 「リーディングシティ武蔵野」
を⽬指す - 夏でも涼しく
過ごせるまち - 当たり前に節電ができるまち
第2回モノを買う・使う・手放す



概要
- 時 間:令和4年8月23日(火)午後6時30分~午後8時30分
- 場 所:むさしのエコreゾート(武蔵野市緑町3-1-5)、オンライン
- 参加者:会場41人、オンライン11人
- テーマ:モノを買う・使う・手放す
- ゲストティーチャー:柿野成美氏
((公財)消費者教育支援センター)
グループ討議結果
- 地産地消を意識して買い物する
- 買わずに
済む方法を考える - 環境に配慮した商品を選ぶ
- 長く使う、
繰り返し使う - 壊れたものを
修理する - リサイクルやフリーマーケットの活用を考える
- ごみ出しのルール
を守る
第3回動く・働く(学ぶ)・遊ぶ



概要
- 時 間:令和4年9月27日(火)午後6時30分~午後8時30分
- 場 所:むさしのエコreゾート(武蔵野市緑町3-1-5)、オンライン
- 参加者:会場47人、オンライン12人
- テーマ:動く・働く(学ぶ)・遊ぶ
- ゲストティーチャー:松橋啓介氏(国立環境研究所 社会システム領域(地域計画研究室)室長)
グループ討議結果
- 移動ではできるだけ徒歩や自転車にする
- 乗り物はCO2の出ないものに
- 公共交通機関を
利用する
(ムーバスなど) - シェアオフィスを増やす
- ワークライフバランスを重視する
- CO2排出量の少ない遊び(スポーツなど)
- 公共施設が遊べる場所になるようにする
第4回住まいのエネルギー



概要
- 時 間:令和4年10月25日(火)午後6時30分~午後8時30分
- 場 所:むさしのエコreゾート(武蔵野市緑町3-1-5)、オンライン
- 参加者:会場48人、オンライン11人
- テーマ:住まいのエネルギー
- ゲストティーチャー:前 真之氏(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授)
グループ討議結果
- 団らん場所を
1つにする - 家電は省エネ、照明はLEDを使用する
- 緑化をする
- 家を出る前に
コンセントを抜く - 再生可能エネルギー電気に変える
- 節水に努める
- 断熱・遮熱カーテンを使う
テーマ別参加者アンケート
第2回~第4回会議で提案された36の行動をもとに、68人の参加者に市民として取り組むべき行動や、行動の難易度などを聴収し、その傾向を把握する目的で実施しました。
アンケートの結果は「武蔵野市気候市民会議 実施の記録」97ページ以降をご参照ください。
提案された36の行動
- 行動01:環境に配慮した製品/サービスを選択する。
- 行動02:使い捨てプラスチック製品の購入を控える。
- 行動03:消費行動を抑え、必要なモノのみを購入する。
- 行動04:生産国など、地域・社会・人に配慮したモノを購入する。
- 行動05:国産品や地元の商品を優先して購入する(地産地消)。
- 行動06:長く着ることができる衣服を購入する。
- 行動07:食品ロスを削減する。
- 行動08:生ごみをたい肥として活用する。
- 行動09:プラスチック容器、包装の使用を控える。
- 行動10:耐久性のあるモノを購入し、修理しながら使う。
- 行動11:モノをシェアする。
- 行動12:分別して捨てる。
- 行動13:不用になったモノを次の人が使える仕組みを利用する。
- 行動14:徒歩で移動する。
- 行動15:自転車で移動する。
- 行動16:公共交通機関で移動する。
- 行動17:電気自動車で移動する。
- 行動18:シェアサイクルを活用する。
モノを買う・使う・手放す
動く・働く(学ぶ)・遊ぶ
- 行動19:カーシェアを活用する。
- 行動20:電動バイクや次世代モビリティなどの新しい乗り物で移動する。
- 行動21:CO2削減に配慮した運送方法を選択する。
- 行動22:外出せずに家で遊ぶ。
- 行動23:外(自然の中)で遊ぶ。
- 行動24:近場(公共の施設など)で遊ぶ。
- 行動25:CO2削減に配慮した遊び方、旅行を選ぶ。
- 行動26:テレワーク・リモート授業を行う。
- 行動27:シェアオフィスを活用する。
- 行動28:電力を再エネ電気に切り替える。
- 行動29:太陽光パネルを設置する。
- 行動30:節電する。
- 行動31:節水する。
- 行動32:省エネ家電に買い替える。
- 行動33:電力を可視化する。
- 行動34:窓や壁などの家の断熱リフォームを行う。
- 行動35:環境に配慮した省エネ住宅に住む(分譲・賃貸)。
- 行動36:緑のカーテンなど、家を緑化する。
住まいのエネルギー
第5回2050年の武蔵野市(脱炭素社会)に向けて、
広めていきたい取組



概要
- 時 間:令和4年11月22日(火)午後6時30分~午後8時30分
- 場 所:むさしのエコreゾート(武蔵野市緑町3-1-5)、オンライン
- 参加者:会場45人、オンライン11人
- テーマ:市の現状と取組の紹介/2050年の武蔵野市(脱炭素社会)に向けて、広めていきたい取組
グループ討議
全5回の会議の総括として、これまでの会議内容及びテーマ別参加者アンケートの結果を踏まえ、「2050年の武蔵野市(脱炭素社会)に向けて、広めていきたい取組」を討議いただきました。
全5回を終えてアドバイザー江守正多氏 総評
(抜粋)
参加者の皆さんにとって、武蔵野市気候市民会議は、普段話さないような年代や職業の人と気候変動問題について考える貴重な機会になったと思います。また、各回のグループ討議を通じて、気候変動と自分の暮らしとの関係についてより興味を持つようになったと思います。武蔵野市気候市民会議が終了してからも、市の取組に注目していくとよいでしょう。そして、皆さんのような市民の関心の高まりが、日本全体、世界全体に広がっていくとよいと思います。
実施の記録
武蔵野市気候市民会議の詳細な内容は、「武蔵野市気候市民会議 実施の記録」「武蔵野市気候市民会議 実施の記録(資料編)」にて公開しています。
(PDFデータ)
また、各回の結果については、当日の動画とともに市公式ホームページにおいても公開しています。
ご参照ください。
「武蔵野市気候市民会議を開催しました」
https://www.city.musashino.lg.jp/gomi_kankyo/shoene_eco/oshirase/kikoshiminkaigi/index.html
気候危機打開!
むさしの市民エコアクション

武蔵野市気候市民会議で市民の皆さんが話し合った内容をもとに、地球温暖化・気候危機の問題に対し、一人ひとりができる環境配慮行動を紹介した冊子「気候危機打開!むさしの市民エコアクション」を作成しました。冊子の内容は「気候危機打開!むさしの市民エコアクション」にて公開しています。